検索エンジンとしてのアマゾン
この文章について
検索エンジンの世界はGoogle(グーグル)一強の状態になって久しい。では2番目の検索窓はどこなんだろうか。そしてその検索窓は何を入力されることをのぞんでいるんだろうか。そんなことを検索エンジンとしてのアマゾンの可能性をからめつつ考えた。
インスタ映えとパンケーキ
ちょっと前に最近の若い人はGoogle(グーグル)なんて使わない、Instagram(インスタグラム)で自分の欲しいものをファッション的にチョイスして買うんだ、みたいな記事があった。
少し気になったので元記事を探してきた。
私の記憶は若干間違っていて、しかもすでに2年前の記事だ。
そんなことはさておき、ざっくり記事の内容を説明すると、今の10代はGoogle以外にもTwitter(ツイッター)や、Instagramで検索をおこなっている。
用途はSNSごとに別れているが、特にインスタグラムでは服や髪型、コーディネート、ネイル、飲食店、観光地などを検索するそうだ。真似したいものやビジュアル的に興味のあるものを直感的に選べることがインスタグラムで検索する利点ということになる。
私がお昼ご飯をよく食べる通りでは、時折、若い女性の口から「インスタ映え」という会話が聞こえてくる。なぜ、こんなにもこの通りでは「インスタ映え」という言葉をよく聞くのだろうとずっと疑問に思っていたけれど、最近気がついたことがある。
この通りにはパンケーキを出す有名な店がいくつか、ある。
そのお店の出すパンケーキは、独特で数量限定だったする。わかりやすくインスタ映えしやすい。いや、パンケーキを出すカフェだけではない。インスタ映えするいくつかの飲食店がある。
もう、本当にそれだけのことで若い女性は道を歩きながら「インスタ映え」を連呼するんだ。
私に言わせれば山本屋本店だって、スガキヤだって、コメダだって全然インスタ映えする店だが。
とにかく若い女性にインスタ映えはびっくりするくらい浸透している。
Twitterの検索能力
ツイッターはだいたいにおいて軽んじられている。ツイッターすごいとか、ツイッターに価値がある、なんて言う記事はあんまり見たことがない。やっぱりインスタグラムだよねとか、FaceBook(フェイスブック)の浸透度と収益性がすごいとか、LINE(ライン)はインフラとして確立しているとか、だいたいそんな感じだ。
IT関連の記事においては、ツイッターは代替の場面でオチとして使われることが多い。
けれど先の記事では検索エンジンとしてのツイッターを高く評価している。
ツイッターでは、速報ネタや今旬のこと、芸能人のこと、ゴシップ、トレンドなどを検索することが多いそうだ。
確かに言われてみれば、私も電車が止まったり、地震があればツイッターで検索するし、タイムライン上で有名人の名前がホットになっていれば何があったのかとやはりツイッター検索する。
特異な検索の仕方は若者だけのものか?
思い出して見るとこのインスタグラムやツイッターの使い方、ざっくり言ってしまって直感的な検索窓の使い方は若い世代だけのものではない。これらのSNSがまだなかった頃、私と同い年の同僚が、ヤフーオークションの使い方について教えてくれた。
ヤフオクでは、文字情報を消して画像の状態にしておき、自分の気になるキーワードで検索するんだそうだ。その中で欲しいものを落札していく。
直感だけで出品物を選ぶ。彼のヤフオクの使い方はそんな使い方だそうだ。
私と同い年ということは、つまり彼もおっさんであるということだ。
ところで、このヤフオクの落札商品を画像で選ぶ彼のエピソードを聞いてから、私は直感的に画像検索を使うことが好きになった。
従来のグーグルの画像検索の使い方としては「深田恭子 水着」とか「新垣結衣 メガネ」とか「橋本環奈 制服」とか、そんな、どんな検索結果になるか想像しやすい言葉というか、わかりやすい目的で画像検索することが一般的に思う。
けれど、それよりも「インスタ映え」とか「土臭い」とか「抜け感」「食欲がなくなる食べ物」とかそんな実態のよくわからん言葉を検索する時や、「アマゾンピッキングチャレンジ」「eスポーツ」「惑星ニビル」とか昨日今日聞いた言葉を、あんまり本気で知りたくないけど、とりあえず検索したい時にこの方法は重宝している。
世界で2番目の検索エンジンってなんだろう
ところで世界で二番目の検索エンジンてなんだろう。
どこまでを、検索エンジンとして捉えるのか?という問題はあるけれど、Yahoo(ヤフー)は今、どのくらいの位置につけているんだろうか。
Microsoftの提供するBing(ビング)がその力技で2位の地位を守っているんだろうか。百度(バイドゥ)がその対象人口の多さで2位の座を奪取しているんだろうか。
検索窓を所有していることを検索エンジンと捉えるならば、YouTuber(ユーチューバー)という言葉がこれだけもてはやされるのだから、YouTube(ユーチューブ)はすごい検索数であることは間違いない。
確かにYouTubeで検索すると流行りのものはだいたい、誰かが動画を作っている。もちろん需要があるから作っているに違いない。
ツイッターやインスタグラムを押しのけて、ビングやバイドゥも押しのけて、世界第二位の検索エンジンにYouTubeが名乗りを上げてもおかしくはない。
検索エンジンとしてのアマゾン
ところでそろそろ、検索エンジンとしてのアマゾンの話がしたい。
この記事のタイトルが「検索エンジンとしてのアマゾン」ということで、これを読んでいる方は、アマゾンは検索エンジンとして素晴らしい、とっても優秀、みたいな結論を期待しているのかもしれない。残念だが、そうは問屋がおろさない。
私は、とある言葉について詳しく知りたいけれど、WEBだけの情報ではなく、本を読みたい時には、アマゾンで検索をする。
「SNSマーケティング」とか、「インスタ映え」とか、そんな言葉で検索する。
結果、だいたいにおいて、がっかりだ。
たとえばGoogleのインスタ映えの画像検索の検索結果は、大変インスタ映えしている。とってもインスタジェニックだ。想像通りの結果と言って良い。(→link)
時事ネタの検索として使われることの多いYouTubeでの「インスタ映え」の検索結果はユーチューバーが活躍している。バラエティ番組のミニコーナーみたいになっている。グーグルの画像検索とは違うけれど、YouTubeっぽい。(→link)
それに比べて、アマゾンのインスタ映えの検索結果は、とてもインスタ映えしていない。というか何者でもない。(→link)
それは「抜け感」だろうが「スタイリッシュ」という言葉だろうが、大体そうだ。
いやいや、お前、そりゃそうだろ、アマゾンに何を期待しているという意見はごもっとだが、私の考えは違った。
アマゾンにだって、まともな、直感的な、検索結果を期待しても良いのではないだろうか。
漫画村とアマゾン
かつてインターネット上には「漫画村」というサイトがあった。日本で売られている漫画の多くがフルでアップロードされ、優れたUIで共有がされている、違法サイトだったそうだ。今はすでに著作権の問題で閉鎖されている。
どういう仕組みかは分からないが、「漫画村」は公開されているデジタルコンテンツを取得し、各ページにご丁寧に「漫画村」のロゴを入れて、アップロードしていたそうだ。
今日語りたいのは「漫画村」についてではない。
その「漫画村」のロゴのついた漫画が「Amazon Kindleストア」で販売されていたそうだ。もちろん、言うまでもなく犯罪行為。
なぜ、こんなことが起きたのかといえば、アマゾンで電子書籍を自主出版できるサービス「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)」を悪用したからに過ぎない。れっきとした海賊版。
「漫画村」も「漫画村」なら、そこからコンテンツを流用してアマゾンで電子書籍として売る方も売る方だ。
けれど、この騒動を見て少し思ったことがある。
動画のYouTubeよりもさらに難易度が高いかもしれないけれど、話題のキーワードはKDPを使えば、集客という分野にとって良いツールなのかもしれない、という可能性を少しばかり感じた。
Amazonから薄い本を出す方法
ところで冒頭の画像で鈴木みその電子書籍の画像を掲載していることに理由はない。単純に「アマゾンの方からきました~Amazonから薄い本を出す方法」という題名が個人的に、グッときたからだ。もちろん読んだわけではない。ひどい理由。
ただ鈴木みその過去の著作はかなり読んでいて、大好きな部類の漫画家だ。
特に最近の作品では電子書籍を扱った「ナナのリテラシー」、いろいろなテーマを書こうとして、とっちらかってしまった感のある「限界集落(ギリギリ) 温泉」は読んで損はないはず。