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フジロック2016 1日目 私にとっての目玉アーティスト/バンドなど

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フジロック2016

 夏です。

 暑いです。

 今年もフジロックが近づいてまいりました。

 毎年私がフジロックへ来るのもこれで最後かなと思いながら感傷的な気持ちで苗場のゲートをくぐり越後湯沢の駅を去っているわけですが、私のフジロック最終回は先送りされることになりました。

 今年もフジロックへ行きます。ただいま準備中です。

 雨具とTシャツと長靴とリュックを準備して音楽と天候不良が一緒にある世界へ出かけたいと思います。

 シャトルバスに乗り込み、椅子問題に頭を抱えつつ、フェス飯を食い、ハイネケンで酩酊し、カフェ・ド・パリで享楽の時間を過ごし、Sigur Rósシガー・ロス)とJames Blake(ジェイムス・ブレイク)を浴びようではありませんか。

 せっかくなので今年も見たいアーティストメモを作りたいと思います。

フジロック2016の目玉は金曜日

 フジロックにはUK/USその他各国のアーティスト、邦楽アーティスト、男性アーティスト、女性アーティスト、そういった枠組みではとらわれないアーティストとたくさんのアーティスト/バンドが登場します。

 そんな中で私がもっとも注目しているのは金曜日です。

 もちろん土日も引けをとらないようなアーティストが揃い、特に日曜日の怒涛のラインナップは凄みを感じます。

 けれどやはり金曜日の夜の時間帯です。ジェイムス・ブレイクからシガー・ロス、さらにはDisclosure(ディスクロージャー)も少しの時間重なっているだけでかなり観ることの出来るこのタイムテーブルは奇跡的でもあるように思います。

 そんなわけで私の少ない見識の中で私が見たいと思ったアーティストをyuoutubeの動画とともにご紹介したいと思います。 

 またいつものごとくですが、基本的に私はグリーン・ステージ、ホワイト・ステージ、レッド・マーキーの3つのステージの有名どころしか取り上げません。

 

Trash Can Sinatras(トラッシュキャン・シナトラズ)

 トラッシュキャン・シナトラズはスコットランド出身のギター・ポップ・バンド。

 彼らの出身地スコットランド南西部の都市アーバインはイギリスにおける音楽の北の都グラスゴーに距離的にとても近い。音楽的にもグラスゴー的な美しさを醸し出し、何かのバンドを引き合いに出すならばやはりグラスゴー出身のTeenage Fanclubティーンエイジ・ファンクラブ)と同質の美しさ、ポップさ、さわやかさを持っている。

 フジロックへは7年ぶりの登場となる。ただし前回の出演時も今回と同様アルバムリリース直後で、その間の期間にはアルバムがリリースされているわけではないため、彼らのゆったりとした活動ペースを反映させた結果とも言える。

 1990年にデビュー・アルバムを発表し、今年最新作「Wild Pendulum」をリリースしている。これはトラッシュキャン・シナトラズの6枚目のアルバムとなる。

 

Biffy Clyro(ビッフィ・クライロ)

 ビッフィ・クライロはスコットランド出身のギターロック・バンド。

 今年のフジロック出演アーティストの中でもっとも本国と日本とで人気に温度差のあるアーティストということになる。

 ビッフィ・クライロは本国イギリスではレディング・フェスティバルのヘッドライナーを務めたりウェンブリー・アリーナでの公演をおこなうなど、本来ならばこんな時間帯(12:50~)に出演するようなアーティストではない。

 よくある本国との格差が開きがちなパターンとして来日回数が極端に少ないということでもなく、00年代以降デビューのバンドとしてはサマソニで過去2回、フジロックも今回が2回目、単独公演も過去にはおこなっている。

 音楽的にもむしろわかりやすすぎるくらいにロックンロールでメロディも非常に覚えやすい曲が多い。

 ただしアルバムジャケットはその音楽性とはことなり若干知性的で、文学的でもあるので、そこにギャップが生じているのかもしれない。

 

  最初に紹介したトラッシュキャン・シナトラズと同じスコットランド出身のギターバンドというセグメントながら、何もかもがまったく異なる。

  ビッフィ・クライロはどのライブ映像を見ても上半身裸でとてもイギリスのバンドとは思えない暑苦しく、男臭いパフォーマンスが全開で、音楽的にも肉体性にあふれていてそれはさながらRed Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリペッパーズ)のようでもある。

 こんなにも熱いスコットランド出身バンドはかつてあっただろうかと思えるバンドだ。もしかすると、そのあたりが日本のスコットランド出身アーティストを支持する層と乖離があり日英での人気の差となっているのかもしれない。

 

Låpsley(ラプスリー)

 ラプスリーはイギリス出身の女性シンガーソングライター。

 今年2016年に19歳にしてデビュー・アルバムをリリースした新人アーティスト。

 Adele(アデル)と同じXLレコーディングスと契約したことや、不思議なくらいに貫禄があり安定している歌いっぷり、その佇まいなどからアデル2世の呼び声高い。

 すでにイギリス本国ではグラストンベリー2016でアデルと同じ2日目に大舞台に登場している。 

 もちろん日本国内でもそんなプロフィールゆえに青田買好きの音楽ファンと音楽評論家に熱い眼差しで注目されている。

 確かに歌い方や若くして肝っ玉母さんという印象の風貌およびパフォーマンスはアデルと通底する部分があるようにも感じる。

 2014年にフジロックに17歳でレッドマーキーのトリとして登場したLorde(ロード)も堂々たる風格でそれは若さゆえに裏付けされた大胆さで乱暴な言い方をすれば獣性だったけれど、ラスプリーの持つそれはロードとはまた異なった風格で、それが生まれついてのものなのかそれとも後天的に身についたものなのかは私にはわからないけれど、アデルよりさらに若い世代のアーティストが台頭しつつあると感じている。

 

Jake Bugg(ジェイク・バグ)

 イギリス・ノッティンガム出身の男性シンガーソングライター。 

 ジェイク・バグについては一つ個人的に印象的な思い出がある。

 それは彼の2ndアルバム「シャングリ・ラ」が2013年にロッキング・オン誌の年間ベスト(1位)に選ばれたことだ。随分思い切ったことをするものだと思ったわけだ。2013年はArctic Monkeysアークティック・モンキーズ)やDaft Punkダフト・パンク)、Arcade Fire(アーケイド・ファイア)らが印象的なアルバムを出した年でもあり、ロッキング・オン誌としてはこの低迷するロック界を一番若いジェイク・バグにかけた、と私は理解した。

 実はその選択に私は大いに疑問があった。

 2013年にアルバムの発売こそなかったもののその賭けの対象は違うアーティストにしするべきではないかと。

 2013年、ジェイク・バグとある種かぶる立ち位置のアーティストとしてEd Sheeran(エド・シーラン)がいた。私はジェイク・バグよりもヒップホップを通過しているエド・シーランの方が分かりやすくはるかに好きだったし、実際にエド・シーランは2014年に発表した2ndアルバムでそのポジションを圧倒的なものとした。

 実はロッキング・オンは賭けに負けたと私は認識していた。これが今年2016年初頭のことだ。

 ステージをかつてサマソニで一度見たことがあり、その時は一人でギターを弾いていたので少し地味だなという印象が強かったせいかもしれない。

 ここからは現在の話に切り替わる。

 フジロックにジェイク・バグが参加すると聞き私は今一度ジェイク・バグの2ndを聴き直した。(ちなみに1stも聴き直した。)

 するとどうだろう。ジェイク・バグの2ndはとても良いものとして聴こえてくる。特に何が良いのかと言えば、ギターの音が良い。フレーズがいい。エド・シーランのような小賢しさはないもののシンプルで実直で、アークティック・モンキーズの5thアルバムのような老成した感じも、アーケイド・ファイアダフト・パンクのようにロックから遠いところにいる感もなく、まさに王道のロックを奏でようとする心意気が伝わってくる。あの時にロッキング・オン誌が評価したものはこの熱さだったんだろうか。

 2016年に聴いたジェイク・バグの2ndは良いアルバムだった。

 

UA

 UA(ウーア)は 大阪出身の女性R&B/ロック・アーティスト。

 金曜日の注目リストのうち唯一の邦楽アーティスト。

 2016年に入って比較的精力的にライブ活動をしているものの、ネット上でセットリストなどを探したが残念ながら最近のセトリはわからず。

 私が個人的に好きな「情熱」「雲がちぎれる時」などが演奏されたら良いなあとは思う。

 

 私はUAのライブはほとんど見たことがなく、唯一フジロックでかつて忌野清志郎追悼のトリビュートバンドの時に登場し歌った時のことだけを覚えている。

 ただしそれは一緒に出演したChara(チャラ)のパフォーマンスがとにかく最低(どれくらい最低かといえば声はメチャクチャでかすれていて歌手のそれではなくしかも歌詞もろくに覚えていない状況で、理由としては前日か翌日に俳優の浅野忠信との離婚を発表しており、心理状態がパフォーマンスにモロに影響するタイプでもあるので清志郎ファンの私からすれば本来は追悼トリビュートという場には出演するべきではない状態)で、そのアーティストとしてひどい状況のチャラをささえつつ何とかその場を取り繕ったという印象があり、UAの思い出というよりはチャラの思い出でしかない。

 

Courtney Barnett(コートニー・バーネット)

 コートニー・バーネットはオーストラリア出身の女性シンガーソングライター。

 左利きのギタリストで時折、Nirvanaニルヴァーナ)なのか?と聞き間違うようなギターリフを弾く。

 カート・コバーンが引き合いに出されがちだが、エレキギターに持ち替えたBob Dylanボブ・ディラン)と表現したほうが私の印象としては近い。

 昨年デビュー・アルバムを発表したばかりの新人アーティストでパフォーマンスの完成度はまだ高くない。どこかオバサンくさいところがあり、そこが私なりの感想としてどこかボブ・ディランを思わせる部分があるということだと思っている。

 

The Internet(ジ・インターネット)

  ジ・インターネットはアメリカのロスアンゼルス出身のメロウソウル・ユニット/バンド。

 金曜日のホワイトステージに登場するアーティストでは最注目ではないだろうか。

 メロウソウル・ユニット/バンドと書いたものの実際はどのカテゴリに入れるべきかよくわかっていない。Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)のオッド・フューチャー(OFWGKTA)の一派でヒップホップ的な音作りやパフォーマンスがなされている部分があるもののヒップホップそのものではなく、ボーカルのシド・ザ・キッドの歌い声はsadeシャーデー)のようでもあり故にメロウ・ソウルと呼ばれているんだろうなとは想像できる、ウィキペディアではトリップホップ・バンドと記載がされており確かにいにしえのトリップホップ・サウンド的でもある。

  youtubeで動画を見るとメロウな曲でも、ヒップホップ的にオーディエンスを煽ったりする。ところでユニットと書いたが完全にバンド形式でその部分ではあまりヒップホップではメジャーではないスタイルと思える。

 ジ・インターネットって何者なんだということだけで言えば、ボーカルのシド・ザ・キッドがシャーデーのような歌声で魅了したかと思えば唐突にヒップホップ的にオーディエンスを煽り、それをトリップホップ的な音でバンドが支えるユニットということになる。

 

James Blake(ジェイムス・ブレイク

 ジェイムス・ブレイクはロンドン出身のポストダブステップ系のシンガーソングライター/ソウルシンガー。 

 2011年にデビュー・アルバムをリリース。今年3枚目のアルバムを発表。

 初期はダブステップ系のアーティストとカテゴライズされていたが、アルバムが進むにつれ歌成分が増していき、今ではソウルシンガーが本職なのではないかと思われる節がある。

 曲そのものもかなり情感豊かに歌いエモーショナルでウェットな部分がアルバムごとに強くなっている印象。

 私はジェムス・ブレイクについて事あるごとに取り上げている気がする。このブログでもライブの感想を書いた。(→link)

 基本的に私のジェイムス・ブレイクの感想はだいたい毎回同じような言葉で、彼はダブステップというジャンルながら想像以上に歌っている、エモーショナルである、としか書いていない。ジェイムス・ブレイクの作り出す繊細な音作りや、音圧については殆どの場面において触れていない。

 私はいつもジェイムス・ブレイクを観るたびに同じ感想をいだいているようであり、気がつけばいつも同じ所をくるくると回っていたようだ。

 

 ところで今年発売された3枚目のアルバム「The Colour in Anything」で私はある一つのことに気がついた。

 ジェイムス・ブレイクは乙女だ。乙女のメンタリティーを持っている。何故そう思うのかと言えば、すべては彼の楽曲にある。ここまで情感豊かに自分の持っているものを曲に反映させるのは才能あるアーティストでも中々難しい。いや、それは才能の問題ではなく、むしろ覚悟の問題に思う。ジェイムス・ブレイクのごとく自分の感情をさらけ出すように歌うやりかたは、どちらかと言えば(女性的ですらなく)乙女的であると感じたからだ。

 

 ここまでの文章から私がジェイムス・ブレイクの歌のみに着目していると思われるのは本意ではないので、彼のサウンドプロダクトにももちろん大いに注目している。名古屋のダイヤモンドホールジェイムス・ブレイクのライブを2013年に見ているけれど、それは本当に素晴らしいものだった。と同時にこれはさらに高みがある、とも感じたライブだった。

 2013年のジェイムス・ブレイクは歌声と音楽としての先進性が高い次元でからみあっていた。2016年のジェイムス・ブレイクにはさらなる期待をしている。

 

  冒頭にも書いたがジェイムス・ブレイクはグリーン・ステージのヘッドライナーであるシガー・ロスの前に登場し、今年の夏フェスで私がシガー・ロスとともに最も楽しみにしているアーティストということになる。 

 

The New Mastersounds(ザ・ニュー・マスターサウンズ)

 ザ・ニュー・マスターサウンズはイギリス出身のジャズ・ファンクバンド。

 ギター、ベース、ドラム、オルガンの4人編成でボーカルレス。

 私がフジロック2016金曜のタイムテーブルで唯一残念に思っていることはザ・ニュー・マスターサウンズがシガー・ロスの完全に裏だということ。

 時間的にはシガー・ロスと同じく21:00始まりで22:20までの予定。

 フジロックには過去に出演歴もあり、昨年より廃止されてしまったオレンジコートがもっとも似合っていたアーティストだったと思う。

 今回はフィールド・オブ・ヘヴンでの登場となる。

 

Sigur Rósシガー・ロス

 アイスランド出身のオルタナティブ・ロックまたはポスト・ロックシューゲイザーハード・ロックと分類される場合もある。

 シガー・ロスは圧倒的な静寂と圧倒的な轟音とボーカルのヨンシーの圧倒的な歌声で幻想的な異世界を作り出すバンドだ。

 そしてシガー・ロスは私が考えでは2016年においては世界最高峰のバンドのうちのひとつだ。

 

 私は過去にシガー・ロスのライブの感想を書いたことがある。→link

  

 その感想では「ヨンシーは怖くないんだろうか」という一文で文章を始めた。

 シガー・ロスのライブを見るたびに私は戸惑う。彼らの奏でる音とその独特な音楽世界と静寂に、私は何を考え、どのようなアクションをとっていいのか毎回迷うのだ。

 

 私は音楽に「美しさ」なんて求めていないつもりだった。

 けれどもシガー・ロスの奏でる音楽は圧倒的に美しい。しかしそれだけではない。ロック・ミュージックの持つ熱さ/熱量を併せ持っている。

 私が過去に見たシガー・ロスのライブはどれも美しく、熱く素晴らしいものだった。

  今回日本の夏フェスでは初めてヘッドライナーを務めるとのことだが、遅いくらいだ。それぐらいに彼らは大舞台が似合う。

 とても期待している。

 

Disclosure(ディスクロージャー

 イギリス・南ロンドン出身のローレンス兄弟によるダンス/エレクトロニカ・ユニット。

 フジロック2016のタイムテーブルは無駄にサービス満点。グリーンステージのトリ 、シガー・ロスとホワイトステージのトリ、ディスクロージャーがあんまり被っていない。ディスクロージャーの最初の数曲を捨てれば両方観ることの出来る親切設計。

 

 今年のコーチェラではこれでもかっというくらいに多彩なゲストが登場するなど大盛況。ゲスト出演が無いステージでも(おそらくフジロックもそうなるだろうが)比較的歌ったり叩いたり弾いたりと大忙しのため見所満載。

 昨年2015年に2枚目のアルバムをリリースしており、こちらのアルバムも評判がよい。

 

フジロック2016 1日目のまとめ

  フジロック2016金曜日の見どころはやはりなんといってもグリーンステージの最後の2組。ジェイムス・ブレイクからシガー・ロスへの流れに尽きると思います。

 

 2日目はこちら(→link)

 3日目はこちら(→link)

 ところで私はチケット買いましたよ。

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