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Greatest Hits/Foo Fighters(フー・ファイターズ)

音楽 アルバム・レビュー 雑文
 
 
 小沢健二は1994年「10年前の僕らは胸をいためて『いとしのエリー』なんて聴いてた」と歌っていたが、それもついに20年以上前の話となってしまった。 
 
 フー・ファイターズのデビューはその翌年の1995年ということになるので、今からちょうど20年前の話となる。
 

 フー・ファイターズのボーカリストにしてギタリストのデイヴ・グロールが先日6月12日スウェーデンでのライブ中、2曲目の「モンキー・レンチ」の演奏中に勢い良く飛び跳ねたところ誤ってステージから転落し、脚部を骨折した。

 デイヴ・グロールは直後、オーディエンスに病院に行くことを伝え、いったんステージから離脱した。3曲の間、デイヴ・グロールは不在だった。フー・ファイターズOasis(オアシス)ではない。ヴォーカルを欠いたままライヴを最後まで続けられるバンドなどではない。

 デイヴ・グロールは同ライヴに車いすに乗って生還した。そしてライヴを続行した。

 

 そのときの様子がこれ。曲は「オール・マイ・ライフ」。  

 

 

 このスウェーデンのライブではなんとか最後の「ベスト・オブ・ユー」まで演奏し、デイヴ不在の間の曲も合わせると合計27曲のセットリストを終えることが出来た。

 

 実のところ、デイヴ・グロールの骨折は比較的深刻でライブ後に手術を要するものだった。金曜日のヘッドライナーを任されていたグラストンベリー・フェスティバルを含む6月中のライヴがキャンセルとなった。

 デイヴ・グロールはブログの中ではKanye Westカニエ・ウェスト)に後は任せた、とメッセージを残したがグラストンベリーでの実際の代役はFlorence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)が務めることとなった。

 

 フー・ファイターズフジロック2015でも金曜日のヘッドライナーを務める予定となっている。今のところキャンセルは発表されていない。

 

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 私はずっとフー・ファイターズというバンドに興味がなかった。

 

 事実として、フー・ファイターズは偉大なバンドだ。デイヴ・グロールのある種ワンマンバンドであり、純粋なロックンロールだけを鳴らしつつも、1995年のデビューから8枚のオリジナル・アルバムを送り出し、グラミーでは幾つもの賞を獲得し、合計2000万枚のアルバムセールスを重ねている。

 

 けれどフー・ファイターズに興味が持てなかった。

 

 そもそもUSのバンドに興味がなかったとか理由はいろいろとあるけれど、やはり一番大きな理由は彼らのバンドのスタートに起因しているのだろう。

  

 今更そんなことを言う人は少数派かもしれないが、私の中でデイヴ・グロールという男はフー・ファイターズのギター・ヴォーカルということよりも、”あのバンド”のドラマーだったということが強く印象づけられている。

 

 ”あのバンド”とはもちろん言わなくてもわかると思うが、そう、Nirvanaニルヴァーナ)のことだ。

 90年代のロック・ミュージック界における最大の事件はニルヴァーナの登場と消失。

 

 

  1994年、このバンドで印象的なヴォーカル・ギターを務めるカート・コバーンの自殺により、ニルヴァーナ解散する。

 

 翌年、ニルヴァーナでドラムを叩いていたデイヴ・グロールは自らヴォーカル・ギターとなり新バンドを結成する。それがフー・ファイターズ

 

 フー・ファイターズは、ニルヴァーナの音楽的資産をいっさい継承していない。デイヴ・グロールがたまたまニルヴァーナという有名なバンドに在籍していただけで、彼らの奏でる音はニルヴァーナといっさい関わりあいがない。音楽性に、方向性にまるで共通点がない。

 雑な言い方をしてしまえば、有名バンドのドラマーだったメンバーが、ドラムスティックをギターに持ち替えただけのバンドとまで言われていた。

 フー・ファイターズのデビュー当初、デイヴ・グロールは軽く見られがちだった。元有名バンドのメンバーがフロントマンであることが売りのバンド。

 これはフー・ファイターズへの中傷なんだろうか。

 もし本当に彼が有名バンドでドラムを叩いていただけの男であったのならば、どう考えてもいまだにフー・ファイターズが世界各国のフェスでヘッドライナーを務めるようなビックなバンドであるはずがない。

  ニルヴァーナは負の感情を暴走させたような、いかにも90年代的であることを象徴するスタイルを持つバンドだったのに対し、フー・ファイターズはまっすぐと前に向かって進んでいる、突き抜けた青空を感じさせるアメリカ的なロックバンドとなっている。

 

 フジロックでの来日にあわせて今年の一月にこのベスト盤(グレイテスト・ヒッツ)を購入した。以降、繰り返し、繰り返しこのベストを聴いている。

 実は、私はこのベスト盤によりはじめてきちんとフー・ファイターズの楽曲を聴くこととなった。

 もちろん、今までいっさいフーファイターズを聴かなかったわけではない。デビュー直後、よくラジオで「モンキー・レンチ」がかかっていたとを覚えている。ポップで覚えやすいロック・ナンバーという印象だった。その後、積極的にも消極的にもフー・ファイターズを聴くことはなかった。

 私もやはり、彼らのことを元有名バンドのメンバーがフロントマンになっただけのバンドという印象と偏見から逃れられなかったのだろうか。

 

 ニルヴァーナカート・コバーンのワンマンバンドだったのか、それとも最強の3ピースが集合したバンドだっだのか、どちらだったのかは私にはわからない。

 けれど、フー・ファイターズのこのベストアルバムを聴くと、デイヴ・グロールはロックンロールをポップに昇華出来る才能をカート・コバーン以上に持つ男だったことは実感できる。 

 

 彼らのデビューから20年かかってしまったけれど、今年になってやっとフー・ファイターズの楽曲をきちんと聴くことができた。

 

 

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