サマソニ2015のヘッドライナー
気がつけば4月も終わりが近づきもうすぐゴールデンウィーク。すでに今年の夏フェス、サマーソニックもフジロックもヘッドライナーの発表はとっくの昔に終わっている。それどころかフジロックは第8弾、サマソニは第6弾まで発表されている。この二つのフェスはともにアーティストの出演日つまり日割りのアナウンスまで進行している。現在までの発表で概ねフェスの全体像は伝わる形になっている。あとはステージ割りとタイムテーブルと残りの出演者の発表を待つだけだ。
ちなみにサマーソニック東京では土曜の夜にホステス・クラブ・ウィークエンダーとの連携がなされるとクリエイティブマンの清水代表が口にしており、の発表済みのメンツに加えピッチフォークなどに好んで取り上げられるようなインディーバンドが追加で何組か出演するようだ。
私はフジロックやサマーソニック、そしてソニックマニアなどに出演するすべてのアーティストについて知るわけでもないし、聴いたことのないアーティストの方が多い状況なのでとりあえずこの時期に発表されているヘッドライナー3組の雑感についてちょこっとだけ書く。
まず今回はサマーソニック2015とソニックマニア2015について。
Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)
実はかなり早い時期から今年のサマソニはファレル・ウィリアムスではないか?という根拠のない噂はあった。と、いうのも2013年に話題作であり大ヒットアルバムとなったランダム・アクセス・メモリーズをリリースしたダフト・パンクがしばらくライヴ活動やフェス出演などを行わないという情報が流れており、事実、2015年の大きなフェスへの出演もなくサマソニの運営者であるクリエイティブマンの清水代表が、2013年のダフト・パンクの大ヒット曲「ゲット・ラッキー」でボーカルを務めたファレル・ウィリアムスで妥協するのでは?という、わりとどうでもいい憶測がネット上では語られていたからだ。
妥協という言い方はひどい言い方かもしれないけれど、私のようなサマソニにロック的な要素をもとめるファンにとっては事実、ゲット・ラッキーとハッピーの大ヒット曲があるものの、ファレル・ウィリアムスはサマソニのヘッドライナーとしては少し物足りないのではないか?という疑念があった、そのような受け止められ方つまり妥協と考えられても仕方がない部分もあった。
ただし、それはロック文脈の考え方であってファレル・ウィリアムスそのものはグラミー賞では計7個の受賞を重ね、その実力と知名度はポップ・アーティストとしてはゆるぎがない。一般的にな洋楽ファンにとってはビッグ・ネームであり、ヘッドライナーとしての存在感は充分なのではないか、とも思う。
The Chemical Brothers(ザ・ケミカル・ブラザーズ)
サマソニ2015 2組のヘッドライナーはザ・ケミカル・ブラザーズ。UK出身のダンス/エレクトロニカ・デュオ。日本での愛称は「なんとかDJ」。
こちらのアーティストもファレル・ウィリアムスとは違った意味でサマソニ・ファンを驚かせた。なぜなら大方の予想ではザ・ケミカル・ブラザーズは今年のフジロックのヘッドライナーの一人として考えられていたからだ。
事実、ザ・ケミカル・ブラザーズはフジロックのヘッドライナーを4回ほどつとめており、日本の洋楽フェスではフジロックの持ち物とさえ思われている部分があって来日するならフジロックということがロックファンではある種慣例となっていた。けれど、今回のその常識が覆り今回ザ・ケミカル・ブラザーズがサマソニにやってくる。
前回のライブはフジロック2011。この時の模様が翌年「ドント・シンク」というタイトルでDVD化された。この来日公演は直前にリリースされたアルバム「ファーザー」の出来がよかったこともあり、とにかく言えること最高の出来だった。
今回もサマソニ前にアルバムが発売されるといわれており、それを受けての来日となっている。
スタジアムで見るザ・ケミカル・ブラザーズは新鮮なのではないだろうか。
私個人の話をさせてもらえるならば、ザ・ケミカル・ブラザーズの来日は前回のフジロックがよかっただけに大変楽しみ。フジロック/サマソニすべてのアーティストの中では次にあげるProdigy(プロディジー)と並んで実はもっとも期待している。
Prodigy(プロディジー)
イギリス出身のパンク/エレクトロ・バンド。意味あいとしてはリアム・ハウレットの一人ユニットに近いがキース・フリントとマキシムという有名なフロントマンを抱えており1DJ+2MC+バンドでおこなうライブ・パフォーマンスには定評がある。
プロディジーの新譜はすでに今の段階(2015年4月)でリリースされている。このアルバムが非常に、暴力的で、何かを叩きつけたような乱暴な音で満ち満ちている。高音がキンキンしていてJ-POP的な感じが否めないものの非常にプロディジーっぽい。プロディジーの強度を増したようなアルバムとなっている。
プロディジーが革新的な音楽をやるアーティストなのか?という前提においては疑念があるけれど、彼らの本質がデジタルな要素を取り入れつつパンクでありヘヴィ・ロック的な何かで、このアルバムにおいて彼らがそれを奏でている、ということに間違いはない。
その彼らがサマーソニックのヘッドライナー的な存在としてやってくる。もともとソニックマニアはマイルドヤンキー的な客層においても、深夜という時間帯においても、クリエイティブマンの雑な仕切りにおいてもカオスな状況になりやすいイベントだ。そこに暴虐なアルバムをリリースしたプロディジーの登場とあってはカオス度はますますアップするのでは?という期待に胸がときめくばかりだ。
ロックがロックという言葉の輝きを失ってからそろそろ20年以上は経過しようとしている現状だが、彼らのやっていることがロックなのかなんなのか、私には分からないが、それでも90年代の残骸と言われつつずっとアルバムをリリースする度にUKではアルバム・チャート1位を獲得している彼らのパフォーマンスに期待せざる得ない。
その他サマソニ&ソニマニ出演アーティストについて
その他のアーティストの雑感については、まだホステス・クラブ・ウィークエンダー組も発表されていない現状と、私の知らない出演アーティストがまだ多くいるので、そのうちまとめて、どこかで。