We Are Shampoo/シャンプー
誰が呼んだかロンドンのコギャル
最近Shampoo(シャンプー)の「We Are Shampoo」というアルバムをよく聴いている。
90年代のシャンプー狂騒曲
シャンプーは90年代の洋楽シーンを一瞬だけ席巻したアイドルグループで「Trouble」という大ヒット曲も送り出している。アイドルという枠組みが正しいのかどうかもよくわからない。アイドル・パンクもしくはロック・デュオと呼んでもよいかもしれない。とにかくシャンプーはある種のカリスマではあった。
シャンプーはイギリス出身の2人組で、ジャッキーとキャリーの二人組。彼女たちの1stアルバムは1994年に発売された。ちょうどブリット・ポップのマスターピースともいうべきアルバム、Blur(ブラー)の「Parklife」と同じ年の発売ということになる。そう、シャンプーはブリット・ポップムーヴメントの狂騒が始まった頃にデビューした。
日本では、ちょうどそのころ女子高生が時代の最先端だった。女子高生がムーヴメントを作り出す時代だった。女子高生のファッション、女子高生の髪型、女子高生の発言、とにかくなんでも女子高生的なものであればメディアは喜んで取り上げた。90年代とは今思えば女子高生の時代だった。その女子高生のイメージが先鋭化したものがコギャルだった。コギャルというものがブームの中心にあった。そんなわけでシャンプーについたアダ名は「ロンドンのコギャル」。
とにかくシャンプーは日本でも売れた。誰に受けたのかはよくわからないけれど、シャンプーはヒット曲を生み出した。もちろんUKロックオタクな人々はこれを冷ややかな目で見ていた。けれど曲はキャッチーでラジオなどでも、どんどんプレイされた。いやでもこの曲は耳に残った。
当然のことだけれども花の旬は短い。女子高生は高校を卒業し、制服を脱いでしまえばただの人だ。もちろんシャンプーの二人は女子高生でもなんでもなかったけれど、とにかく、あっという間にブームは過ぎ去る。
残されたものはブックオフに山積みにされたCDたちだ。シャンプーが売れたのは20年も前の話だ。若い人たちはシャンプーなんて知るわけがないと思う。けれどブックオフの中古洋楽コーナーの一番安いCDアルバムのコーナーを見てほしい。かならずシャンプーのアルバムはおいてある。
シャンプーが日本を席巻したのは20年も前ということになる。ところがおどろくべきことに今改めて聴き直してみると、意外に良い。というか特別古い音楽といった印象がない。そんなわけで私は最近シャンプーを喜んで毎日聴いている。私は20年前、彼女たちを軽く見ていたけれど、今聞くと新鮮で最新のヒット曲に引けをとらないくらいによい。と思っている。