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おすすめブログのカウンターとして始めたはずが、気がつけば薄っぺらなブログ

洋楽とUKロック

 
 

 ずっとずっと疑問に思っていることがある。それは「洋楽」というものについてだ。私はいまだに「洋楽」というものがよくわからない。

 

 今日はなんだかよくわからないことをダラダラ書く。とりとめもないブログ。特に結論はない。いや少しだけあるか。

 

 私はずっとUKロックオタクをやってきた。ロックオタクと言うカテゴライズでもかまわないけれどUSインディはさほど聴いてこなっかたのでUKロックのオタクあたりが恐らくは表現としてピッタリくる。そもそもNMEやロッキング・オン大好きでPitchfork (ピッチフォーク)には中指を立てろと言っているのでUKロックオタクでほぼほぼ間違いはない。

 とにかく私の好きな音楽はロックというところに間違いはない。確かに単純なギターロックだけではなく、テクノもヒップホップもレゲエもスカもラップもクラブでかかるようなダンス・ミュージックもジャズっぽい音楽もそれなりには聴く。けれど人にどんな音楽が好きかと問われれば、「ああそうだねえ、よくわからんけれど、ロック的な音楽が好きかねえ」と答える。

 「イギリスとかのバンドの曲をよく聞く」みたいな話をすると「ああ、洋楽とか好きなんですね」と返される。違う。断じて違う。私が好きなのはロックであって洋楽などと呼ばれるジャンルではない。

 

 私の中に洋楽というジャンルに対して偏見がある。洋楽のライブはライブと言うよりはコンサートに近く、演出がド派手で、歌うのが女性アーティストならセレブ扱い。洋楽の曲はFMラジオであっという間にヒットチャートを駆け上がり、結婚式やドライブのお供、喫茶店のBGMとして大活躍。CMでも良い感じで活躍している。

 洋楽のアーティストが来日しようものなら男性アーティストであろうが女性アーティストであろうが空港へファンが大集合。その様子がニュースで大々的に取り上げられる。新曲が発売されただけで大騒ぎ。けれどアルバムが売れている印象はなく、ベスト盤や、有名アーティストがたくさんつまったコンピレーションやオムニバスがやたら売れる。そんなイメージがある。これが私の洋楽に関する偏見のコレクションだ。

  

We Are Shampoo/Shampoo(シャンプー)  → link

  

 

 私がUKロック好きになったころ、すでにUKロックはイケていないジャンルだった。Oasis(オアシス)がデビューした当時、日本ではShampoo(シャンプー)というイギリス出身の二人組が人気だった。FMのラジオ番組でもよく彼女たちの曲がかかっていた。彼女たちはめっぽう口が悪くオアシスのことをルックスが悪いから売れないといっていたのが印象的だった。この二人の女性アーティストというかアイドルはまさに私の考える洋楽だった。イギリスのコギャルというよくわからないキャッチフレーズの二人はおしゃれという言葉とは違うがそれでも時代の寵児となりピカピカと輝いていた。90年代を代表するUKロックバンドのギャラガー兄弟とその愉快な仲間たちはシャンプーの二人の指摘通り決してルックスには恵まれていなかった。

 UKロックの代表選手オアシスはとにかく野暮ったくスタイリッシュではなかった。

 この後、オアシスは名曲のたくさんつまった2枚の名盤を残したのち、このバンドの定番・兄弟喧嘩によりバンドは解散してしまい、弟のリアム・ギャラガーは再結成を望んでいるが兄貴のノエルがうんといわないため2014年現在はとりあえず再結成はない。一方、シャンプーは華々しいほどの一発屋ぶりを発揮し今はどこで何をしているのかもわからない。 

 

 

 アリアナ・グランデという女性アーティストがいる。おそらくは人気らしい。タワーレコードなどに行くと無料でもらえるフリーペーパーがある。あれの表紙になっていることで私はこのアリアナ・グランデを発見した。

 こういったような若い女性に大人気のアーティストの情報はどこからやってくるものなのだろうか。彼女らのファンは、どこからこのアーティストを発見しているのだろうか。アーティストへのたどり着き方からしても私とは行動パターンが違うように思う。私のようなUKロックのファンと彼女らのファンでは仕入れてくる情報元が異なる。

 仮にアリアナ・グランデのような若いポップでアイコン的な女性アーティストのファンのことを洋楽ファンと呼ぶとする。

 洋楽ファンはラジオなんて聴いたりするのだろうか。今風の音楽用のアプリからダウンロードか。ランキングとかチャートか。けれどそもそも人気にならなければ、ヒット曲がなければランキングの上位になったりしない。耳に届かない。

 それならCMか。あるいは雑誌などでアーティストを見つけてYoutubeなどでPVを見るのか。テレビドラマや映画の主題歌か。謎は深まるばかり。

  アリアナ・グランデの見つけ方を知りたい。

  

 

 2014年、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)というアーティストの『ハッピー」という曲が流行った。世間の扱いではもちろん「洋楽」だ。私がこの曲について知ったのはほんの最近だ。最盛期に私のところにこの曲が流行っているという情報が届かなかった時点でファレル・ウィリアムスは「洋楽」というジャンルで間違いない。

 いや私だってファレル・ウィリアムスのことくらい薄々は知っている。渋谷陽一NHKで放送しているラジオの中で毎週、ニューヨークとロンドンの海外チャート、ランキング情報のようなものをリポーターをやりとりする。その中でスーパー・プロデューサーチーム・ネプチューンズという名前が何度も出てきている。ファレル・ウイリアムスのその2人組ネプチューンズの片割れだ。

 ファレル・ウイリアムス、もう一つ。2013年はDaft Punkダフト・パンク)の年だった。正確にはダフト・パンクのゲット・ラッキーの年だった。例えばフジロック2013で一番最初にスピンされた曲はゲット・ラッキーであり、一番最後に石野卓球がスピンした曲もゲット・ラッキーだった。わかりやすくアンセムだった。夏の思い出。その2013年の夏もっとも美しく輝いた曲のボーカルがファレル・ウィリアムスだった。

 いやわざわざ私の無知をさらすためにブログを書いているわけではない。

 洋楽ファンとUKロックオタクには断絶を感じている。ある種別種の生き物ではないかと思っている。けれどその両者はなんとかファレル・ウィリアムスでつながっている。なんという奇跡。

 

 

 夏フェスはフジロックだけではない。もうひとつサマーソニックという夏フェスがある。幅の広いジャンルを扱うフジロックよりもなぜかサマーソニックの方がより洋楽という印象が強い。それは、Beyonceビヨンセ)やAvril Lavigneアヴリル・ラヴィーン)のようなわかりやすい、洋楽アーティストを登場させるからだろうか。

 ビヨンセ)がサマーソニックのトリだった年、Lady Gagaレディ・ガガ)は初来日した。レディ・ガガはその奇抜なファッション、例えば生肉のドレスで世間の度肝を抜いたかと思えば、さながら黒柳徹子のようなヘア・スタイルとコスプレで登場、さらには徹子の部屋そのものへの出演などと、その言動や行動が髪型が、楽曲よりも注目される様は洋楽という範疇すら飛び越しているように思える。けれど、レディ・ガガが影響を受けたと公言するマイケル・ジャクソンやマドンナ、デヴィッド・ボウイエルトン・ジョンなどはその音楽性以外の部分でも有名人。

 レディ・ガガは今や洋楽の中心人物だ。

 

 

 この洋楽に対する偏見だけを垂れ流すエントリは本当に大丈夫か。いや大丈夫じゃなくてもかまわない。さらに洋楽に対する偏見を加速させたいと思う。

 洋楽と言えばやはりクリスマス・ソングとバラードだ。定番のクリスマス・ソングを女性アーティストが表情豊かに楽しげに歌っているイメージはないだろうか。私にはある。洋楽という言葉に対する反感は恵まれなかった幼少時代に対するルサンチマンか。

 

 

 

 若いころ、知り合いとドライブをした時にカーステレオから不意にStingスティングのイングリッシュマン・イン・ニューヨークが流れてきたことがある。その時までは意識したことはなかったけれど、夜の遅い時間だったこともあり雰囲気にのまれて、この曲がおしゃれな曲に思えたことを今でも覚えている。いやもちろん、スティングイングリッシュマン・イン・ニューヨークはいい曲だし、いい歌だとも思う。けれど、その知り合いは洋楽なんてものはいっさい聴かないような人物だったので、その意外性に驚いただけだ。

 色眼鏡をつけたUKロックオタクの私はその時まで「スティングなんてアレでしょ、さえない田舎教師崩れでしょ」みたいな偏見にあふれていたが、それ以来スティング良いかも、と思うようになった。

 

Be Here Now/Oasis(オアシス)  → link
 

 初期の2枚で大成功をおさめた眉毛兄弟ことオアシスは、本国イギリスより遠く離れた日本でドラマの主題歌に使用される。しかし、それは勢いが落ちかけてからの曲だったからなのか、ドラマの主題歌というものが日本でパワーを失いつつある時代だったからなのか、それともシャンプーの二人の言うとおりルックスがイマイチだったからなのかは、わからないが彼らの曲は洋楽的な大ヒットをすることはなかった。

 オアシスは今でこそ大メジャーだが、彼らの全盛期90年代にいまと同じくらいもてはやされていたかどうかは私の記憶では定かではない。

 これがUKロックバンドと洋楽の壁なんじゃないかと感じていたりする。

 

The fall of math/65daysofstatic(65デイズオブスタティック)  → link
 

 ところで最後にひとつだけ。これは洋楽なのかUKロックについてなのかは分からないけれど、私の好きなこのジャンルについてひとつの誤解がある。「英語で歌っていて、もうそれだけで聴く気になれない」というやつだ。わかる。でもな、じゃあ邦楽とかJ-POPだってそんなに歌詞とか気にしているのかと問いたい。どうしても歌詞が知りたければ歌詞を和訳しているサイトなんていくらでもある。恋愛の歌だろうが失恋の歌だろうが好きに探してくれ。カラオケで歌いたいなら歌えないこともない。

 違う。違う。私の言いたいのはそんなことじゃない。ボーカルのない名曲なんていくらでもある。歌詞の良し悪しなんて、後からでもいい。たとえば65daysofstatic(65デイズオブスタティック)。轟音ギターとダンスビートが絶妙にからみあってこんな音楽は是非誰かに聴いてほしいと思った。とりあえず取り留めのないブログの結論としては、65デイズオブスタティックを聴くと良いことがきっとある。そうに違いない。なのでみんな65デイズオブスタティックを聴けばよいと思う。以上。

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