RIP Robert 'Throb' Young
悲しいお知らせです。プライマル・スクリームの創設メンバーであり、そのギター・サウンドの要であった ロバート“スロブ”ヤングが亡くなりました。
— British Music in JP (@britishmusicjp) 2014, 9月 11
元Primal Scream(プライマル・スクリーム)のロバート・ヤングが亡くなった。
ロバート・ヤングはプライマル・スクリームの結成時からのメンバーで、正直な話を言えば音楽的な貢献という意味ではどの程度プライマル・スクリームのサウンド・プロダクトに影響を与えていたのかは私にはわからないけれど、このバンドの精神的な意味では要のメンバーであったことは間違いないと思う。
特にロバート・ヤングが印象的だったのは、アルバム「Give Out But Don't Give Up」。プライマル・スクリーム的には「Screamadelica(スクリーマデリカ)」という名盤中の名盤の次にリリースされたアルバムのため、英国プレスからの評価も低く、どちらかと言えばボロクソな評価を受けた部類の作品となっているが、ロック史上の名曲といっても良い有名なヒット曲「Rocks」や今でもライブで演奏される定番ナンバーの「Jailbird」もこのアルバムの収録曲。
確かによく考えればアシッドな仕上がりのスクリマーデリカから一気に土臭いアメリカンロックというかスワンプ・ロックへ移行したんだから、そりゃ評判も悪かろうと冷静になればその通りなんだけど、当時はなぜこんなに酷評されるのかもよくわからなかった。
とにかくイギリスのプレスの評価はともかく私はこのアルバムが好きだった、そして日本の国内でも評判は良かったように思う。もちろん、ふにゃふにゃと踊りながら歌うボビー・ギレスピーも良かったが、一番はなんといっても格好良くギターを弾きリフを決めるロバート・ヤングだった。
2006年頃「Riot City Blues」というプライマルスクリームの新譜がリリースされ、それにともない来日公演(ジャパン・ツアー)が行われた。私はこの時のライブを東京と名古屋で見ている。その時にはすでにロバート・ヤングはメンバーとして来日しておらず、何故かアンドリュー・イネスの相棒としてリトル・バーリーのメンバー(バーリー・カドガン)がギターを弾いていた。そのことに私は戸惑ったけれど、なんらかの理由でロバート・ヤングは少しの期間バンドを離れているだけだと思っていた。
2008年フジロックにプライマル・スクリームは再びやってきたがやはりそこにもロバート・ヤングの姿はなかった。それでもやっぱりロバート・ヤングの不在は一時的なもんだと思っていた。たまたま今はロバート・ヤングはいないだけで、またいつかの来日時には当たり前のようにプライマル・スクリームの一員として普通にギターを弾くもんだと思っていた。
ロバート“スロブ”ヤングが亡くなったというニュースをTwitterで知った時、実は一番最初に思い浮かんだのは何故か元New Order(ニュー・オーダー)のピーター・フックのことだった。バンドの中の怖い人というイメージがシンクロしていたのかもしれない。※どうでもよい話だが私はピーター・フックのことを一般的な呼び方フッキーではなくピーター・フック番長と呼んでいる。
するとTwitterのタイムラインにピーター・フックのツイートが流れてきた。
RIP Throb
— Peter Hook (@peter_hook1) 2014, 9月 11
ここでやっと私は理解した。そうか、もうロバート・ヤングはプライマル・スクリームのメンバーとしてギターを弾くことはないんだな、と。
RIP Robert 'Throb' Young